舞台は吉原。
遊郭・巴屋(ともえや)
そこは珠由良という美女を太夫に掲げ、
「吉原一」の名を欲しい侭にしていた。
ある日――
吉原に不似合いな、袴姿の少女が現れる。・・・・・・・・・
彼女の名は伊砂。
父を死に至らしめた薬屋を探して
此処までやってきたのだと言う。
真ん中が珠由良役・そなた
左が凪葉(巴屋の2)役・かのこ
右が静流(遊女見習い)役・あぽろ
|
|
|
|
遊女達と龍吉(喧嘩屋)に薬屋の居所を尋ねるが、
全く取り合ってもらえない伊砂。
「吉原は、ひと時の夢を与える場所。
ぬしも、浮世を忘れて身を委ねてみなんし」
「結構だ。何も知らないなら、勝手に探すまでだ」
珠由良の言葉を撥ねつけ、
再び伊砂は雑踏へと消えていった。
左が伊砂役・ここ
右が龍吉役・あじおう
※出会い頭に喧嘩を始める伊砂と龍吉のシーン
|
|
|
「江戸にはびこる妖しい薬…ねぇ」
静琉の元に現れたのは、薬屋・鈴。
鈴から薬を受け取り、恍惚とした表情になる静琉。
「己の理性をなくし、
あとは呑ませた者の思うがまま…素敵なお薬!」
二人を取り囲んだ幕府の隠密。
しかし、鈴の撒いた薬によって成す術もなく殺されてしまう。
その光景を隠れるようにして見ていたのは…
巴屋の遊女・凪葉だった。
右が鈴役・こう |
|
|
|
夜がふけて――
吉原を1人歩く凪葉。
夜道は危ないと追いかけてくる龍吉に冷たくするが、
凪葉にぞっこんの龍吉は言う事を聞かない。
「自分の身くらい、自分で守れます。ついて来ないで」
「いいや!
たまたま出会ったのも何かの縁だ。待てよ、凪葉ー!」
凪葉は仕方なく歩を早めた。
|
|
時同じくして…
巴屋では、珠由良が隠密相手に刀を振るっていた。
「浮世も夢も境は朧…
今宵は、この身も風となりんしょう。
愉快な夜に、なりそうでありんすねぇ…」
|
|
|
 |
凪葉がやってきたのは薬屋のところだった。
鈴に刀を向け、遊女の着物を脱ぎ捨てる。・・・・・・・・・・・
「その姿…幕府の隠密か」
「女郎とは仮の姿。
江戸に蔓延る薬を暴くのが、私の役目さ!」
刀を交える二人。
凪葉が敗れ、これまでかと思ったその時、
「凪葉!」
「なるほどな、お前の悪行しかと見届けた」
龍吉、伊砂が現れた。
|
|
凪葉を助け、伊砂は薬屋に一騎打ちを申し込む。
「私の名前は伊砂。
お前の薬に父親を殺された女だ。
これ以上、お前の好きにはさせん!」
途中窮地に追い込まれながらも、勝利した伊砂。
これで用は無いと立ち去ろうとする。
と、
「待って!まだ終わってない。
薬を売りつけ、江戸に広めた奴は他にいる。
…全ての大本は巴屋だ!」
凪葉のこの言葉を受け、
伊砂、龍吉、凪葉は決着をつけるため巴屋へと向かう。 |
|
|
 |
「見世の規則を解せぬあなた方…あら、何処かで見たお顔」
珠由良、静琉の元へ辿り着いた三人。
乱戦へともつれ込むと思いきや、
「太夫、此処はあたしが」
「静琉…存分に楽しませてあげなんし」
静琉にその場を任せ、
珠由良は伊砂を誘い別室へと去る。
凪葉、龍吉の手により敗れる静琉。
舞台は終幕、伊砂と珠由良の決闘へと進む。
|
|
「太夫、お前の目的は何だ」
「わっちが欲しいのは只ひとつ。
夢に生きるも、現を見るも、心を満たす楽しみさ。・・・・・
男も女も、わっちに溺れればよい」
「高みの見物を決め込んで、薬で人を操って、
心まで思い通りになると思うな!」
「ぬしが、わっちを楽しませてくださる?」
「それがお前の望みとあらば!」
|
|
|
|
珠由良もくだされ、江戸を脅かす薬は消えた。
伊砂は凪葉と龍吉に別れを告げ、旅立つ。
「薬などの関係ない平和な江戸に戻った時には…
その時には、またお前達と会ってみたいものだ」
そして凪葉、龍吉もそれぞれの道を歩き出す――!
「巴屋のなくなった吉原なんざ、何の名残も惜しくねぇや!
俺は、俺の道を行く!」
「夜明けと共に凪葉って女は消える。
今日からは、私も自分の道を行くさ!」
|
|
|
|